電気自動車の不安2011年10月23日 00時00分

少しづつ電気自動車が商品として発売されるようになってきた。これが意外な展開を示している。
家庭の電源としてである。おそらく地震がなければそんな方向に展開することはなかった筈だ。

電力のソースが複数あるのは悪いことではないとは思っているのだが、車のバッテリはどうかと思っている。まず、バッテリの性能だ。
今のバッテリは知っている通り、寿命がそれほど長くない。リチウムイオンで 500回くらいという話だ。実際はそんなに持たないし、そこに至るまでに容量が少しづつ減ってくる。携帯電話やらノート PC を使用していれば実感することだ。車だって同じに違いない。車用は開発にかなりな費用を投入しているから大丈夫。というわけにはいかないし、そんな話があればメーカとしては携帯機器にも当然使いたい技術だろう。ということは普通に使用していれば 5年もしないうちに交換する必要が出てくるということだ。おそらく使用環境の温度条件としては携帯機器より悪い筈なので性能劣化は携帯機器以上だろう。とすれば携帯機器を使用している感覚でいけば 2年もすればかなり劣化しているような気がする。満充電しても走行距離 20 km くらいしか走れないようで誰が使うか。広告で当然そんなことに触れられることはないが、広告以外であってもバッテリの寿命その他が話題にされることがないのはどういうわけか。「TV で何時間、冷蔵庫で何時間」とかいうのは初期性能のバッテリを満充電にした状態だろう。

それだけではなく廃棄物の問題もある。ガソリン車ではそんな短期間に主要部品を交換するというようなものはない筈だし、結構な量のバッテリが搭載されているに違いないので、廃棄バッテリの問題も大きいような気がする。こんなことで本当に環境にいいと言えるのだろうか。

気になることは他にもある。効率の問題だ。充電した電気を車で消費するのならまだいいが、それを家庭用の電力として使用する場合の効率の問題がある。そもそも充電する時点で交流を直流にするから、そこでロスが発生する。ロスはそれだけではなく、充電でも発生している筈だ。直流になった電気を 100% 充電しているなどということはあり得ない。それを家庭の電源として使用する場合、さらに交流に戻さなければならない。そこでさらにロスが発生する。実際のところ合計でどの程度の無駄が発生しているのかわからないが、よくて 40% 程度ではないだろうか。根拠がある話ではないが、合計 20% しかロスしていませんというようなことはあり得る数字には到底思えない。

というようなわけで、電気自動車が家庭のバックアップ電源として脚光を浴びるのはどうも納得がいかない。

バッテリという問題で言えば、電気自動車だけではなくハイブリッド車でも同じような問題がある。ハイブリッドの場合、家庭用電源として使用するということがないだけで、バッテリの劣化は燃費の悪化に直結する。バッテリの性能が低下すると役に立たない重量物を載せて走っているようなものだからだ。

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