同窓会の物語2012年06月10日 23時00分

中学の同窓会に行ってきたのであった。
実は今回の同窓会が小学校から大学まですべての学校で生れて初めてである。私は小学二年生から今迄ずっと今の場所に家があるにも拘らず、どこからも連絡がなかった。完全に他力本願だが、同窓会の幹事は私には荷が重い。

今回の同窓会にしても直接連絡を貰ったわけではなく、友人に教えて貰った。今回の同窓会は偶然三年の担任だった先生の定年退職祝いも兼ねていた。

それはいいのだが、友人なり知り合いであったとしても何しろ何十年も会っていない人らにどの面を提げて行けばいいのかわからないので参加を決めるのに時間がかかった。

当初は適当な恰好で行くつもりだったが、何しろ初めてのことなので少し調べてみた。ホテルの同窓会でもあるので、フォーマルとはいかないまでもあまりラフな恰好だと恥を掻くこともあるらしい。

ホテルに到着。
適当に歩いてみると特に迷うことなく会場に辿り着くことができた。受付に行くと知らない人らがいるが、彼らは「ピーマン」と呼ぶ。私の中学のときの渾名である。そう呼ぶ彼らは誰だ。横に幹事がいて、彼はわかったが、受付の男女二人がわからない。

部屋に案内されたので中に入る。すでに何人もいて談笑している。何人か見憶えのある人らがいて少し安心する。ただ、見たことがあるような人でも名前のわからない人らもいる。さらに知っている人が来て話をするうちに時間になった。会場だと思っていた部屋は単なる待合で、会場は隣らしい。

会場は待合の倍ほどの広さがある。しかしテーブルしか置かれていない。また立食だ。ホテルは立食しかないのかとうんざりする。立食は移動しやすいという利点はあるが、草臥れるという問題がある。細かい話をすると放浪するので自分の飲んだ酒の量がわからないという問題もある。注がれるままに飲んでいると飲み過ぎてしまう。

同窓会が始まるとクラス毎の挨拶やら紹介などがあり、周囲の人らと話をしたりする。参加者の一覧を見ながら、あれは誰、これは誰と確認する者もいる。

さらに知らない人がやってきて「ピーマン」と言う。誰だ、お前は、と思うが、名前がわかってもわからないままの人もいる。記憶にない。卒業アルバムを引張り出してきてみた。アルバムを見てわかったが、当日の参加者の顔がわからないという者もいれば、アルバムを見てもわからないという者もいる。尤もアルバムの写真が小さくてよくわからないという問題もある。

パソコン通信時代のオフラインミーティングに似た部分もあるが、基本的には初めて見る相手ではないところが大きく違う。さらに数十年振りに会う顔ぶれというところも違う。

結果として参加してよかった。
面白いのは女子が意外におばはんではなく、年齢を重ねた色気のようなものを漂わせている人もいたことだ。中には歳相応という雰囲気の人もいたがそれは男子でも同様だ。女子もそうだが、男子も総じて歳より若く見えたのは時代の違いだろうか。
ただ、男子は歳相応というよりかなり変り果てたという方が適当な人もいた。当時はやんちゃだったのに、今では爺さんの如き雰囲気を醸している人もいて、いろんな人生が見えるような気がした。つまらない TV ドラマよりよほど豊饒な物語が立ち昇ってくるようであった。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://zeny.asablo.jp/blog/2012/06/10/6475062/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。