「を」の発音2011年09月19日 21時50分

世間には「を」を「お」と発音しない人らがいる。もちろん彼らは日本人だ。

そのことに気が付いたのは 5年ほど前のことだった。仕事の打合せである人の話しているのを聞いていると「を」を「wo」と発音していた。場合によってははっきり「うぉ」というように発音していた。

そのとき、昔はそういう発音をしていたというようなことを聞いたのを思い出した。今でもそういう発音がいる人がいることをそのとき知ったのだった。それから気にするでもなく他人の喋るのを聞いているとたまに「wo」と発音する人に出会う。

しかし私の年代でもそんなことを学校で習った人がいるようには思えない。とはいえ私のその知識がどこからきたかということを考えると学校で習ったのかもしれない。それでも単に昔はそうだったというようなことを聞いただけではなかったかと思う。私自身は普段「wo」と発音することはない。まあそう教師が言っていたとしても、素直に従っていたとは思えないが。

そういう意味では「ゐ」や「ゑ」は今では使わない文字になってしまったが、古文などで習う。しかし発音までは習わない。これらも昔は「い」「え」ではなく「wi」「we」と発音していたのだろう。

「ゐ」や「ゑ」はともかく、「を」の人らである。

彼らは一体どこでそういう発音を常用するようになったのだろうか。家の人がそういう発音を仮にしていたとしても、世間一般はそんな発音をしていない。方言のように周囲がみんなそういう発音だったら自然にそういう発音をするのだろうが、そんな地方はあるのだろうか。

さらにわざわざ「wo」と手間のかかる発音をしなくても通じるわけだから、敢えてそう発音する理由もないような気がする。「関西学院」を「かんせいがくいん」と呼んでも「くゎんせいがくいん」と発音する人らに出会ったことはない。余談だが関西学院のローマ字表記は "Kwansei Gakuin" であって、そういう発音であったことを物語っている。

そういえば「じ」と「ぢ」も昔は発音が違っていたのではないかという説もあるらしい。

日本語の発音も以前は今より豊穣なのだった。

時代とともに面倒な発音は安易な発音に集約され、使用される文字も(中途半端に)集約されるものだから、日本語の学習が容易になったのか、例外が増えて面倒になった部分が多くなったのかわからない時代になった。

ともかく次に「wo」の人に出会ったときには「wo」と発音するようになった経緯を聞いてみたいと思っているが、なかなかそういう人に出会わないのであった。