緊急地震速報2007年08月29日 22時35分

十月から緊急地震速報の一般提供が開始されるという。地震が発生すると TV、ラジオや防災無線、携帯電話さらには専用機器などを利用して情報を流すしくみらしい。
大きな地震が発生したという情報が到達前に得られるメリットは大きいのだろうか。混乱するという議論もあるようだ。間違った理解をしているとせっかく情報を受信しても正しい対応が取れず、逆に混乱を来たすというわけだ。

ほぼ確実に数十秒程度で地震が来るという情報があれば場合によっては大きな助けとなるだろう。
一分近く前に速報があれば一般家庭であれば安全なところに避難する、ガスを使用していればガスを止めるなどの対応が取れる。風呂に入っているときに一分だとパニックになる可能性の方が高いような気がするし、シャンプーをしているときだともっと悲惨なことになるかもしれない。なかなか出ない大便をきばっているときに十秒後に震度六強と言われたら頭が真っ白になるかもしれない。
話は逸れるが、昔とんでもなく太くて硬い便がなかなか出てくれず、少しだけ顔を覗かせた状態で引っ込めることもできずに四十五分以上便所で粘っていたことが一度だけあった。そんなときに速報を流されてもなすすべはない。これで生き埋めになったら生きてきたことを後悔するばかりだろう。「そんな恰好で死ぬために生れてきたのか」と思ってしまえば人生そのものが台なしだ。
言っておくがトイレは四方に柱があるから家の中でも比較的安全だというのはあまり根拠がある話ではない。だから便所にいるから安心して便をすませればいいというアドバイスは信用できない。
机の下に隠れるというのもあまり有効な方法とは言えない。落下してくるものを避けるという意味では有効な場合もあるかもしれない。家が崩れるようなことがあれば机も崩れてしまう可能性が高い。一戸建てであれば上の階に逃げる方がまだましだ。古い木造が崩壊する場合、一階は二回の下敷きになってしまうし、崩れるときは数秒だ。逃げている余裕はまったくない。トイレに逃げ込む暇があれば上の階に上るべし。

これまでにも緊急地震速報を取り上げてきたメディアもあったし、十月に近付けば特集するメディアも増えるだろう。しかし日頃の備えが大切だということを伝えるメディアは多くないような気がする。速報さえ得られれば短い時間という問題はあるにせよ、こっちのものだと言いたげな調子である。だが、本来その情報を生かすためには日頃の訓練と地震に対する備えができていなければそもそもあまり助けにならないと心得るべきだ。情報は情報であって、それが万能というわけでは決してない。そもそも直下型地震であれば情報そのものが届かないし、震度が大きいほど情報が届いてから地震が来るまでの時間は反比例するように短くなるので咄嗟にできることも限られてくる。
そもそも落下してくるものを避けるために机の下に隠れなければならないという時点で備えができていない。その時点で手遅れということも考えられる。助かれば幸運というに過ぎない。
耐震補強をする、耐震住宅や免震住宅に住むというようなお金も暇もかかるが基本的なことから、家具の転倒防止対策を取る、整理整頓をして地震が来ても怪我をしないようにするというような細かい対策をし、万一地震が起きた場合にどのように対応するかという日頃の備えがあって初めて緊急地震速報が役に立つものになるのであろう。地震が来てから耐震補強では遅すぎるし、倒れた家具と散乱するものでぐちゃぐちゃになっている家の中では仮に家が地震に耐えたとしても片付けが終るまでの数日は家で生活することができない。
緊急地震速報用の専用機器を購入することを考えているのであれば、その前にもっとするべきことがある筈だ。