テープカット ― 2009年12月03日 21時55分
人は何か始まるときにテープカットをしたがる。
例えば建築物の落成式だったり、銅像の除幕式だったりするわけだ。列車の開通やら飛行機の就航などでもテープを切りがちだ。
ただ、あまり個人的な場合にはテープカットは行われないらしい。建売住宅を購入して入居するときにテープカットしている家庭というのは見たことがない。親戚や近所の人を集め、テープカットして家族が中に入っていく。なかなか新居に相応しい光景にも思われる。
あるいは結婚披露宴だ。ただ、披露宴の場合いつテープカットをすればいいのだろう。宴の前に切るというのでもいいように思うが、宴の終りに新婚生活の始まりとして切るというのも悪くないかもしれない。よく考えればテープを「切る」わけだから、縁起を担ぐ日本で行われることはないだろう。
新学期の始まりにテープカットというのはどうだ。生徒全員が集まった校庭とか講堂でするのもいいが、各教室でそれぞれやるのもいいだろう。始業式が終ってめいめいの教室に戻るときに逸る子らは駈けて行く。「おい、転ぶから走るんじゃない」といっても聞かない。最初に教室に着いた者がテープを切る役目だ。後からやってきた教師が一番の生徒に鋏を渡す。テープカットとともに教室に雪崩込む子供。
退院する患者を送り出すテープカットというのもいいかもしれない。
趣向を変えて、終るときにテープカットというのはどうか。例えば今日限りで解散する会社である。
「社員諸君には申し訳ないが、今日限りで会社は解散することになった」などと社長が挨拶して取締役の音頭で社長がテープを切る。
議会の解散では万歳をしたりしていたのではなかったかと思うが、そういうのはやめてテープカットにしたらどうだろう。いいぞ、テープカット。
それにしてもテープカットは大体において人が犇いているところで行われるのが通例だ。落成式でも列車の開通でも大勢の人がいて、そこでテープが切られる。一人でテープカットするという光景は見たことがない。そういう意味では独り暮しの家でテープカットはあまり適当とは言えない。今日から大学に行くことになった学生が下宿を始めたマンションで一人テープを切るというのはうら淋しい感じさえ漂う。
そういう意味でみやぎ蔵王えぼしスキー場のテープカットはどうしようもなくもの悲しい。雪のないゲレンデを背にして十人の男らがテープを切る。切りながら男たちはこう思っているに違いない。
何やってんだ、俺たち。
テープを切ってもスキーヤーはいないのだった。
例えば建築物の落成式だったり、銅像の除幕式だったりするわけだ。列車の開通やら飛行機の就航などでもテープを切りがちだ。
ただ、あまり個人的な場合にはテープカットは行われないらしい。建売住宅を購入して入居するときにテープカットしている家庭というのは見たことがない。親戚や近所の人を集め、テープカットして家族が中に入っていく。なかなか新居に相応しい光景にも思われる。
あるいは結婚披露宴だ。ただ、披露宴の場合いつテープカットをすればいいのだろう。宴の前に切るというのでもいいように思うが、宴の終りに新婚生活の始まりとして切るというのも悪くないかもしれない。よく考えればテープを「切る」わけだから、縁起を担ぐ日本で行われることはないだろう。
新学期の始まりにテープカットというのはどうだ。生徒全員が集まった校庭とか講堂でするのもいいが、各教室でそれぞれやるのもいいだろう。始業式が終ってめいめいの教室に戻るときに逸る子らは駈けて行く。「おい、転ぶから走るんじゃない」といっても聞かない。最初に教室に着いた者がテープを切る役目だ。後からやってきた教師が一番の生徒に鋏を渡す。テープカットとともに教室に雪崩込む子供。
退院する患者を送り出すテープカットというのもいいかもしれない。
趣向を変えて、終るときにテープカットというのはどうか。例えば今日限りで解散する会社である。
「社員諸君には申し訳ないが、今日限りで会社は解散することになった」などと社長が挨拶して取締役の音頭で社長がテープを切る。
議会の解散では万歳をしたりしていたのではなかったかと思うが、そういうのはやめてテープカットにしたらどうだろう。いいぞ、テープカット。
それにしてもテープカットは大体において人が犇いているところで行われるのが通例だ。落成式でも列車の開通でも大勢の人がいて、そこでテープが切られる。一人でテープカットするという光景は見たことがない。そういう意味では独り暮しの家でテープカットはあまり適当とは言えない。今日から大学に行くことになった学生が下宿を始めたマンションで一人テープを切るというのはうら淋しい感じさえ漂う。
そういう意味でみやぎ蔵王えぼしスキー場のテープカットはどうしようもなくもの悲しい。雪のないゲレンデを背にして十人の男らがテープを切る。切りながら男たちはこう思っているに違いない。
何やってんだ、俺たち。
テープを切ってもスキーヤーはいないのだった。
通勤距離 30 km ― 2009年12月05日 22時00分
今は片道 6 km 程度を自転車で通勤している。ところが、来年四月からは職場が変る予定で、その距離は片道 30 km である。
そういう話は以前からあって、それがいよいよ現実味を帯びてきた。今のところそうなった場合の悩みの種は通勤をどうするかということだ。当然自転車も視野に入れてはいるが、実行できるのかどうかがよくわからないというところが心配する点だ。
世間には 30 km どころか、どこかのブログに一日往復 90 km 以上通勤で走るという人がいたし、30 km はざらにいるという距離ではないにしても無理という距離でもないらしく、ちらほら話も聞いたりする。今の職場にも誰かは知らないが、片道 30 km 以上の距離を通勤している人が二人いるらしい。彼らが毎日通勤しているかどうかはわからない。
ただ、自分としては今の 5倍の距離を走ることになるし、以前通勤していた距離と比較しても倍あるので若干躊躇してしまう。これが 20 km 程度なら比較的気軽に自転車で通勤できるのだが。
そこである日、実際に一度その職場まで自転車で行ってみた。事前に地図で経路と距離を調べ、コースの最適化も検討した上で実行した。半分くらいの距離まではこれまでに何度か行ったことがあるが、そこから先は初めてのコースだ。ところが通ったことのある道で間違ってしまい、時間が余計にかかってしまった。それ以外は概ね順調だった。行きはほぼ 2時間だった。帰りは 1時間50分というところか。あまり飛ばすとしんどいし、無理な走り方で実際に通勤できないような所要時間でも意味がないので、無理しないように心がけて走った。
それでも帰りは尻が痛くなって途中で休憩した。行ってすぐに引き返してきたので 60 km ほど走った計算になるから、普段そんなに走っていない尻には負担だろう。
知らない道ということもあって、2時間も走ったという感覚はなく、気がつけば 2時間経っていた。心配なのは慣れてからだろう。走っている途中で飽きるのではないかということだ。
2時間というのは今まで経験したことがない通勤所要時間である。一時期電車で 1時間半程度通勤していたことはあるが、そのときはそんなに日をおかずに引越して職場の近所になったため、実際は 1時間というのがこれまでで比較的長かった通勤時間だ。独身なら今度もそういう対策を採ってもいいだろうが、結婚している上に家まで持ってしまっているので、残念ながらそういう安易な方法を採ることができない。
一番楽な方法は電車だが、これはこれで不便だ。比較的近くまでは乗り換えなく行けるが、その最寄駅 C ですら職場まで 4 km 程度ある。そこから電車を乗り継げばもう少し近くの本当の最寄駅 D まで行けるが、そこからでも徒歩 15分程度はかかるらしい。どちらを選択しても所要時間ざっと 1時間半から40分はかかる。
そういう意味で最も便利なのはその駅 C から自転車という方法だ。これでも 1時間半を切る程度にしかならない。
検討した末に候補として考えられる別の方法には、途中のターミナル駅 A まで自転車で行き、そこから電車という案、逆にターミナル B 駅まで電車で行き、そこから自転車という案がある。B 駅から職場までは 11 乃至は 12 km ある。B 駅から自転車というのが所要時間としては一番短いと推定されるが、B 駅にしても C 駅にしても、その駅に自転車を確保しなければならないという問題がある。
A 駅まで自転車で行くというのにしても A 駅で自転車を保管する場所を確保する必要があるし、夏などはそこで着替えて乗り換える必要があるだろう。A 駅の場合は C 駅以降どうするかという問題もあって問題が多くなるばかりのような気もする。
着替えについては B 駅の場合も帰りに同様の問題がある。あれこれ面倒な上にその分所要時間やら費用その他がかかってくるので、どれもこれもリーズナブルとは言いがたい。結局職場まで自転車で走っても 10分から 20分程度しか差がなく、その差も着替えや乗換えで時間を消費していれば結局到着時間は大して違いがないことになってしまう。
通勤電車は痛勤電車などと揶揄されもするくらい混雑していて鬱陶しいものだ。私は電車通勤を十年以上していない。今更あんな電車に乗って通勤したいとも思わないし、大都市圏の鉄道ネットワークが便利なればなるほど不便になっているという矛盾も生じているので、電車通勤に魅力は一切ない。途中に巨大ターミナル駅があるので途中下車できるが、これもあまり魅力に感じない。尤も魅力を感じる人がいるとすれば痴漢くらいのものだと思うが、この痴漢というのも電車通勤を憂鬱にする理由の一つでもある。というのも、痴漢をしていないのに間違われるという事例の話を聞くからだ。
さらにはインフルエンザその他の感染問題というのもある。自転車に乗っていれば通勤経路で感染することはまずないし、痴漢に間違われる心配も皆無である。第一自転車に乗っているとストレスが発散できる。電車だとストレスが溜ることはあっても発散されることはない。
結局綜合的に判断すれば、選択肢は自転車しかない。
自転車を買い替えて自転車通勤するかという結論になりがちだが、雨の日の問題もあり、このところ悩ましいことだらけである。
そういう話は以前からあって、それがいよいよ現実味を帯びてきた。今のところそうなった場合の悩みの種は通勤をどうするかということだ。当然自転車も視野に入れてはいるが、実行できるのかどうかがよくわからないというところが心配する点だ。
世間には 30 km どころか、どこかのブログに一日往復 90 km 以上通勤で走るという人がいたし、30 km はざらにいるという距離ではないにしても無理という距離でもないらしく、ちらほら話も聞いたりする。今の職場にも誰かは知らないが、片道 30 km 以上の距離を通勤している人が二人いるらしい。彼らが毎日通勤しているかどうかはわからない。
ただ、自分としては今の 5倍の距離を走ることになるし、以前通勤していた距離と比較しても倍あるので若干躊躇してしまう。これが 20 km 程度なら比較的気軽に自転車で通勤できるのだが。
そこである日、実際に一度その職場まで自転車で行ってみた。事前に地図で経路と距離を調べ、コースの最適化も検討した上で実行した。半分くらいの距離まではこれまでに何度か行ったことがあるが、そこから先は初めてのコースだ。ところが通ったことのある道で間違ってしまい、時間が余計にかかってしまった。それ以外は概ね順調だった。行きはほぼ 2時間だった。帰りは 1時間50分というところか。あまり飛ばすとしんどいし、無理な走り方で実際に通勤できないような所要時間でも意味がないので、無理しないように心がけて走った。
それでも帰りは尻が痛くなって途中で休憩した。行ってすぐに引き返してきたので 60 km ほど走った計算になるから、普段そんなに走っていない尻には負担だろう。
知らない道ということもあって、2時間も走ったという感覚はなく、気がつけば 2時間経っていた。心配なのは慣れてからだろう。走っている途中で飽きるのではないかということだ。
2時間というのは今まで経験したことがない通勤所要時間である。一時期電車で 1時間半程度通勤していたことはあるが、そのときはそんなに日をおかずに引越して職場の近所になったため、実際は 1時間というのがこれまでで比較的長かった通勤時間だ。独身なら今度もそういう対策を採ってもいいだろうが、結婚している上に家まで持ってしまっているので、残念ながらそういう安易な方法を採ることができない。
一番楽な方法は電車だが、これはこれで不便だ。比較的近くまでは乗り換えなく行けるが、その最寄駅 C ですら職場まで 4 km 程度ある。そこから電車を乗り継げばもう少し近くの本当の最寄駅 D まで行けるが、そこからでも徒歩 15分程度はかかるらしい。どちらを選択しても所要時間ざっと 1時間半から40分はかかる。
そういう意味で最も便利なのはその駅 C から自転車という方法だ。これでも 1時間半を切る程度にしかならない。
検討した末に候補として考えられる別の方法には、途中のターミナル駅 A まで自転車で行き、そこから電車という案、逆にターミナル B 駅まで電車で行き、そこから自転車という案がある。B 駅から職場までは 11 乃至は 12 km ある。B 駅から自転車というのが所要時間としては一番短いと推定されるが、B 駅にしても C 駅にしても、その駅に自転車を確保しなければならないという問題がある。
A 駅まで自転車で行くというのにしても A 駅で自転車を保管する場所を確保する必要があるし、夏などはそこで着替えて乗り換える必要があるだろう。A 駅の場合は C 駅以降どうするかという問題もあって問題が多くなるばかりのような気もする。
着替えについては B 駅の場合も帰りに同様の問題がある。あれこれ面倒な上にその分所要時間やら費用その他がかかってくるので、どれもこれもリーズナブルとは言いがたい。結局職場まで自転車で走っても 10分から 20分程度しか差がなく、その差も着替えや乗換えで時間を消費していれば結局到着時間は大して違いがないことになってしまう。
通勤電車は痛勤電車などと揶揄されもするくらい混雑していて鬱陶しいものだ。私は電車通勤を十年以上していない。今更あんな電車に乗って通勤したいとも思わないし、大都市圏の鉄道ネットワークが便利なればなるほど不便になっているという矛盾も生じているので、電車通勤に魅力は一切ない。途中に巨大ターミナル駅があるので途中下車できるが、これもあまり魅力に感じない。尤も魅力を感じる人がいるとすれば痴漢くらいのものだと思うが、この痴漢というのも電車通勤を憂鬱にする理由の一つでもある。というのも、痴漢をしていないのに間違われるという事例の話を聞くからだ。
さらにはインフルエンザその他の感染問題というのもある。自転車に乗っていれば通勤経路で感染することはまずないし、痴漢に間違われる心配も皆無である。第一自転車に乗っているとストレスが発散できる。電車だとストレスが溜ることはあっても発散されることはない。
結局綜合的に判断すれば、選択肢は自転車しかない。
自転車を買い替えて自転車通勤するかという結論になりがちだが、雨の日の問題もあり、このところ悩ましいことだらけである。
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